家電量販店|ホームセンター|GMSで自社製品を販売してほしい

量販店に自社製品を販売してほしい。

※本記事では、量販店を「家電量販店・ホームセンター・GMSを含む小売チェーン」として記載
※GMS:General Merchandise Storeの略、イオン、イトーヨーカドーなどの総合スーパー

・自社で開発した商品
・海外から仕入れた商品(OEM)
・または自分で企画した商品

そう考えたことはありませんか?

では、どうすれば量販店に採用されるのか。

多くの方は、まず商品の品質や価格、パッケージ、販売ページなどを整えるところから始めます。

●商品の仕様を整える
●パッケージを作る
●説明書を用意する
●販売価格を決める
●在庫を準備する
●EC販売ページを作る
●写真や動画を用意する

ここまでは、多くの方が想定している準備です。

もちろん、これらはとても重要です。
上記が整っていなければ、量販店への提案はできません。

仕様が曖昧で、価格も決まっておらず、説明書もなく、在庫もない状態では、商談以前の問題になります。

しかしそこまで用意しても、実際に、家電量販店やホームセンター、GMSへ商品を提案するためには想像以上に高い壁に気づきます。

それは、

「良い商品であれば採用される」というわけではない

ということです。

弊社はこれまで、自社製品を家電量販店、ホームセンター、ECモールなどへ提案し、実際に販売していただくための準備と商談を行って参りました。

この経験の中で強く感じたのは、量販店への提案は「商品を売り込む場」ではなく、量販店側が安心して取り扱える状態を作ることが最重要だということです。

弊社が自社で約9年間ストックしてきたノウハウを、今回から数回に分けて公開していきます。

この連載では、

家電量販店・ホームセンターに自社製品をご採用いただくためのステップ

についてお話ししていきます。


① 量販店から採用を勝ち取る|必要な準備

量販店、つまり家電量販店、ホームセンター、GMSを含む小売チェーンに商品を提案したいと考えているメーカー、輸入商社、OEM商品の販売を検討している企業にとって、最初に悩むのは「どこに、どのように提案すればよいのか」という点ではないでしょうか。

よくある状況内容
商品には自信がある機能、品質、使いやすさなど、商品そのものには強みがある状態です。
価格も悪くない市場価格と比較しても、ある程度競争力のある価格設定ができている状態です。
パッケージも作った販売用の箱や袋、商品ラベルなどを用意している状態です。
販売実績も少しずつ出てきた自社EC、Amazon、楽天、卸販売などで一定の販売実績が出始めている状態です。
Amazonや自社ECでは少し売れている一般消費者からの反応があり、商品としての需要を確認できている状態です。

しかし、いざ量販店へ提案しようとすると、誰に連絡すればよいのか、どんな資料が必要なのか、どのような条件を提示すれば商談に進めるのかが分からない。

これが現実ではないでしょうか。

量販店への提案では、商品そのものの良し悪しだけではなく、商談に進むための準備が必要です。


Ⅰ.自社製品の完成

まず当然ですが、自社製品が完成していることが前提です。
※一度実績ができると、開発中からお話を聞いていただけるようになります

ここでいう完成とは、単に商品が存在しているという意味ではありません。
販売できる状態まで整っているかどうかです。

確認項目確認内容
商品仕様サイズ、重量、材質、機能、付属品などが明確になっているか。
型番商品管理用の型番が決まっているか。
JANコード量販店やECで商品登録するためのJANコードが用意されているか。
パッケージ店頭販売や配送に対応できるパッケージがあるか。
説明書使用方法、注意事項、保証内容が分かる説明書があるか。
保証内容保証期間、保証範囲、不良時の対応方法が決まっているか。
販売価格希望小売価格、店頭販売価格、EC価格が整理されているか。
卸価格量販店側の利益を考慮した卸価格を設定できるか。
在庫・生産体制初回納品や追加注文に対応できる在庫、または生産体制があるか。
不良品対応初期不良、返品、交換、問い合わせ対応の流れが決まっているか。

特に家電や住宅設備に近い商品であれば、さらに注意が必要です。
安全規格、保険、取扱説明書の注意表示、保証書、問い合わせ窓口など、量販店側が確認したい項目が山ほど存在します。

量販店は多くの不特定多数のお客様に商品を販売します。

●多くの働く方を抱えている
●不動産維持費が巨額である
●クレームを最初に受けるのは現場で従事されている方である

販売後にトラブルが起きやすい商品、説明が難しい商品、保証体制が曖昧な商品は、どうしても慎重に見られざるえません。

作り手側からすると「商品は良いから売れるはず」と考えてしまいがちです。

しかし量販店側からすると、「販売後に問題が起きないか」「店舗やECで扱いやすいか」「お客様に説明しやすいか」が最重要なのです。


Ⅱ.商談資料の準備

量販店への提案では、口頭説明だけでは不十分です。
バイヤーやご担当者は、多くの商品提案を受けています。短時間で内容を理解してもらうためには、分かりやすい資料が必要です。

資料項目記載する内容
会社概要会社名、所在地、事業内容、取引実績、販売実績など。
商品概要商品名、型番、JANコード、サイズ、重量、付属品、保証期間など。
商品の特徴競合商品と比べた強み、購入者にとってのメリット、使用シーンなど。
販売ターゲット誰に売れる商品なのか、どの売場に合うのか、どのような悩みを解決するのか。
競合商品との違い価格、機能、品質、デザイン、保証、設置性などの違い。
販売価格希望小売価格、想定店頭価格、EC価格など。
卸価格量販店側の利益を考慮した卸価格。
想定粗利販売店側がどの程度利益を確保できるか。
納品条件納期、出荷場所、送料条件、最低ロット、欠品時の対応など。
保証対応保証期間、不良品対応、問い合わせ窓口、交換対応など。
販促物の有無POP、カタログ、商品画像、動画、店頭説明資料など。
販売実績自社EC、Amazon、楽天、法人納品、海外販売などの実績。
今後の展開案テスト販売、EC先行販売、店舗展開、シリーズ展開など。

特に重要なのは、価格条件です。

量販店は大きな販売網を持っていますが、その分、人件費、店舗家賃、倉庫費用、システム費用、広告費、物流費など、多くの経費がかかっています。

そのため、卸先の利益は最低でも40〜50%程度を想定して提案を設計する必要があります。

たとえば、1,000円(税抜き)で便座を売りたい場合を考えます。

項目条件考え方
販売価格1,000円(税抜)店頭やECでお客様に販売する価格です。
販売店側の想定利益50%量販店側が確保したい利益率を想定します。
卸価格500円(税抜)販売価格1,000円の50%で卸す場合の価格です。
メーカー側に残る金額500円(税抜)この金額の中で、原価・物流費・販促費・不良対応費などを賄う必要があります。

この場合、メーカー側は500円で卸しても利益が残るように設計しなければなりません。

さらに、この500円の中から、商品原価、輸入費用、国内送料、倉庫費用、販促費、サンプル費用、不良対応費用、場合によっては展示什器やPOPの費用まで考える必要があります。

ここを考えずに、単純に「うちの商品は1,000円で売りたいです」と提案しても、量販店側の条件と合わないことがあります。

量販店への提案では、販売価格だけではなく、卸価格から逆算して商談を設計することが重要です。


Ⅲ.販促物(POP)・カタログの作成

量販店やホームセンターでは、商品を置いただけで勝手に売れるとは限りません。

売場では、多くの商品が並んでいます。
その中でお客様に手に取ってもらうためには、販促物が必要になります。

販促物目的
店頭POP売場で商品の特徴を短時間で伝えるために使用します。
商品カタログ商品の仕様、特徴、使い方、価格などをまとめて伝えるために使用します。
比較表競合商品との違いや、自社商品の強みを分かりやすく伝えるために使用します。
使用イメージ画像実際に商品を使う場面を見せ、購入後のイメージを持ってもらうために使用します。
設置方法の説明資料取り付けや使用方法に不安がある商品について、分かりやすく説明するために使用します。
売場用の簡単な説明文販売員やお客様が短時間で商品の内容を理解できるようにするために使用します。
EC掲載用の商品画像量販店ECや自社ECで商品を販売する際に使用します。
商品動画使い方や特徴を視覚的に伝えるために使用します。
パッケージ訴求文パッケージ上で商品の魅力を分かりやすく伝えるために使用します。

メーカー側は、商品説明を細かくしたくなります。
しかし店頭では、お客様がじっくり説明書を読むわけではありません。

一瞬で、何の商品か。
何が便利なのか。
なぜ買うべきなのか。

これが伝わる必要があります。

たとえば家電製品であれば、機能名だけを並べるよりも、使用シーンが分かる写真や、購入者の悩みを解決する一言の方が売場では伝わりやすい場合があります。

また、販促物の費用も考えておく必要があります。

POP、カタログ、什器、サンプル、展示品などは、基本的にメーカー側の負担になることが多いです。
つまり、先ほど説明した卸値の中に、こうした経費も盛り込んでおかなければなりません。

「商品原価だけを見れば利益が出る」と思っていても、販促物や物流、不良対応まで含めると利益が残らないというケースはよくあります。

量販店への提案では、売るための費用も含めて価格設計をする必要があります。


Ⅳ.展示モックの協賛と什器の作成

商品によっては、展示モックや什器が必要になります。

特に家電、住宅設備、トイレ用品、健康家電、美容家電、工具、生活家電などは、実物を見せた方が伝わりやすい場合があります。

量販店やホームセンターでは、売場スペースが限られています。
そのため、商品をどのように展示するかが重要です。

確認項目内容
棚置き商品通常の棚に置くだけで販売できる商品かを確認します。
吊り下げ展示フック陳列や吊り下げパッケージに対応する必要があるかを確認します。
展示台商品を目立たせるための専用展示台が必要かを確認します。
実物サンプルお客様が実物を確認できるサンプルが必要かを確認します。
モック品通電や使用はできないが、サイズ感や外観を確認できる展示用商品が必要かを確認します。
説明パネル商品の特徴、使い方、注意点を売場で伝えるためのパネルが必要かを確認します。

展示モックや什器を作る場合、その費用もメーカー側で負担することになります。
また、店舗数が多い場合は、1店舗あたりの費用が小さくても、合計すると大きな金額になります。

たとえば、1店舗あたり数千円のPOPや展示物でも、100店舗、300店舗となれば大きな費用になります。

そのため、商談前の段階で、どこまで販促協力できるのかを考えておく必要があります。

量販店側からすると、売場で売れる形まで提案してくれるメーカーは検討しやすいです。
逆に、商品だけを渡して「売ってください」という提案では、売場展開のイメージが湧きにくくなります。


Ⅴ.商談へ

商品、条件、資料、販促物、展示方法が整理できたら、ようやく商談です。

商談では、商品の説明だけではなく、販売店側が知りたいことを先回りして伝える必要があります。

商談で伝える項目内容
この商品は誰に売れるのか購入するお客様の層や、商品のターゲットを説明します。
どの売場に置けるのか家電売場、住宅設備売場、日用品売場、季節売場など、想定売場を説明します。
販売価格はいくらか店頭販売価格やEC販売価格を説明します。
卸価格はいくらか量販店側の利益を考慮した卸価格を説明します。
利益はどれくらい取れるのか販売店側が確保できる粗利を説明します。
納品は安定しているのか在庫状況、出荷体制、納期、欠品時の対応を説明します。
不良品対応はどうするのか初期不良、返品、交換、問い合わせ対応の流れを説明します。
販促物は用意できるのかPOP、カタログ、画像、動画、展示物などの準備状況を説明します。
販売実績はあるのか自社EC、Amazon、楽天、法人納品、海外販売などの実績を説明します。
他社商品と何が違うのか競合商品と比べた強み、価格、機能、保証、売場での違いを説明します。

量販店の商談は、単なる商品紹介ではありません。
販売後まで含めた事業提案です。

また、最初から全国展開を狙う必要はありません。
場合によっては、EC販売から始める、一部店舗でテスト販売する、特定地域で導入する、期間限定で展開するなど、小さく始める方法もあります。

重要なのは、販売実績を作ることです。

一度実績ができれば、次の提案がしやすくなります。
実績がある商品は、量販店側も判断しやすくなります。


まとめ

量販店に商品を提案するには、良い商品を作るだけでは不十分です。
必要なのは、量販店が安心して取り扱える状態を作ることです。

必要な準備内容
商品を販売できる状態に整える仕様、型番、JAN、パッケージ、説明書、保証を準備します。
商談資料を作る商品概要、特徴、価格条件、納品条件、保証対応を整理します。
卸価格と利益設計を考える販売店側の利益を想定し、卸価格から逆算して設計します。
販促物を用意するPOP、カタログ、画像、動画、売場用資料を準備します。
展示方法を考える棚置き、吊り下げ、モック、什器、説明パネルの必要性を検討します。
保証や不良対応を整理する初期不良、交換、返品、問い合わせ対応の流れを決めます。
量販店側が売りやすい提案にする売場、ターゲット、価格、販促まで含めて提案します。

特に重要なのは、価格設計です。

販売価格1,000円の商品で、量販店側の利益を50%想定するなら、卸値は500円です。
その500円の中で、商品原価、物流費、販促費、サンプル費、不良対応費まで含めて利益が残るかを考えなければなりません。

量販店への提案は、夢のある販路です。
何よりもご採用いただくと、世間での認知度|信用がけた違いに変わります。

だからゆえ、商談ですらたどり着けない販路でもあります。

弊社では、自社製品を家電量販店、ホームセンター、ECモールなどへ提案してきた実務経験をもとに、メーカー様、輸入販売事業者様、OEM商品を販売したい企業様の支援を行っています。

●量販店に商品を提案したい。
●ホームセンターに商品を置いてほしい。
●GMS向けに販売したい。
●商談資料を作りたい。
●卸条件や販促費の考え方が分からない。
●海外から仕入れた商品を日本の量販店向けに整えたい。

このようなお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

量販店・ホームセンターへの商品提案支援はこちら

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